Movie Review
地獄に堕ちるわよ7
『地獄に堕ちるわよ』第7話では、有名歌手・島倉千代子の借金問題をめぐって、細木数子の“美談”が崩れていく様子が描かれている。
数子の語りでは、島倉が借金苦で自殺しそうになっていたところを数子が助け、借金を肩代わりしたうえで、地方巡業や舞台の仕事を通じて返済させていった、という話になっていた。ここだけを見ると、数子は困っている大スターを救った恩人のようにも見える。
しかし、数子の過去を知る人物への取材によって、その話は大きく違っていたことが明らかになる。実際には、数子が偶然島倉を救ったというより、島倉が金になると見た周囲の人物が数子と引き合わせ、数子は借金の肩代わりを口実に、島倉の仕事を管理するようになっていく。
その後、島倉は地方営業などで懸命に働かされるが、借金がどれだけ返済されたのか、残りがいくらなのかを明確に知らされない。数子は、すでにかなりの金を回収していたにもかかわらず、島倉には借金がまだ残っているように思わせ、彼女を働かせ続ける。結果として、島倉を救ったというより、島倉の人気と稼ぎを利用して、数子自身が私腹を肥やしていたように描かれていた。
この一連の流れによって、島倉の中には「助けられた」という感謝よりも、「騙されて利用された」という思いが強くなっていく。そして終盤では、数子にとって大切な存在だった堀田を島倉が寝取るような場面が描かれ、島倉なりの復讐として印象的に締めくくられていた。